ブロニスラフ・カミンスキーとは?
ブロニスラフ・ヴラジスラヴォヴィチ・カミンスキー(Bronislav Vladislavovich Kaminski、1899年6月16日 – 1944年8月28日)は、第二次世界大戦中にナチス・ドイツ側で活動したロシア人軍事指導者であり、反共主義者として知られています。彼は「カミンスキー旅団」として知られるロシア国民解放軍(RONA)の指揮官を務め、最終的には武装親衛隊(SS)の少将にまで昇進しました。
初期の経歴
カミンスキーは、ロシア帝国のヴィテプスク県で、ポーランド人の父とドイツ人の母の間に生まれました。サンクトペテルブルクの専門大学で理工学を学び、ロシア革命後の内戦では赤軍に参加しました。しかし、1937年の大粛清の際に「反革命主義者」として逮捕され、ブリャンスクの労働収容所に収容されました。1941年に釈放され、ロコト市に移住しました。
ロシア国民解放軍の結成
独ソ戦が始まると、カミンスキーは親ドイツ派の自警組織を結成し、赤軍パルチザンに対抗しました。この組織は後に「ロシア国民解放軍(RONA)」と名付けられ、最大で約20,000人の兵力を持つまでに成長しました。RONAはドイツ軍から自治権を与えられ、ロコト自治州として機能しました。
武装親衛隊への編入とワルシャワ蜂起
1944年初頭、RONAは武装親衛隊に編入され、カミンスキーは親衛隊少将に任命されました。同年8月のワルシャワ蜂起では、約1,700人の部隊を率いて鎮圧に参加しましたが、略奪や非戦闘員への虐殺、婦女暴行などの残虐行為に終始し、戦闘ではほとんど成果を上げませんでした。
最期
1944年8月28日、カミンスキーはリッツマンシュタット近郊で偽の自動車事故により死亡しました。これは、彼の部隊の暴虐行為に業を煮やした親衛隊上層部、特にハインリヒ・ヒムラーの指示による暗殺であったとされています。彼の死後、RONAは解散され、残存兵力は他の部隊に編入されました。
後世の評価
カミンスキーは、ナチス・ドイツに協力した反共主義者として知られる一方、その部隊の残虐行為から戦争犯罪人としての評価も受けています。彼の活動は、占領地におけるナチスの政策とその協力者たちの複雑な関係を象徴しています。
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